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鳥人間コンテスト観戦ガイド
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テレビ放映を観ただけではわかりづらい、よくある鳥人間コンテストの疑問にお答えします。

コンテストに参加するためには、まず「書類審査」を通過する必要があります。書類審査には規定があり、それに従ってチームの概要やアピールポイントを書いたエントリー書類、飛行機の技術面や安全面を説明した書類、そして機体の設計図(三面図)を提出します。年にもよりますが、最近では書類審査で約半数までチームが絞られるようです。
書類審査に合格すれば出場することができますが、現地での機体安全チェックとパイロットの健康チェックに引っかかってしまうと、琵琶湖まで行っても飛ぶことができなくなる可能性があります。

▲現地でのチェックに合格すると機体にステッカーが貼られる。これが飛べる証。

ちなみに、参加する場合でも飛行機の製作費用、現地までの輸送費用は全て参加者が負担することになります。ただし、コンテスト自体への登録料・参加費は一切必要ありません。
このことに関して第1回大会から長年鳥人間コンテストの実況を務めたアナウンサー、志生野温夫氏は、後のラジオ番組で「プラットホームの建設を除けば、あとは飛行機の製作者におんぶにだっこ。こんなに上手い企画は無い。」とコメントしています。


≪機体設計からコンテスト出場までの流れ(一般的なチームの場合)≫
 
機体設計
どのような機体を作りたいかを決め、設計担当者が様々な計算を重ねたうえで設計図を描きます。
機体製作
ほとんどの鳥人間チームは分業制になっています。
飛行機の部分ごとにグループ分けをして、それぞれの専門部署で制作作業を行います。
組み上げ試験・各種試験
飛行機がある程度完成したら、飛行機を組み立てて問題がないかチェックします。
他にもプロペラ回転試験など、様々なテストをします。
テストフライト(TF)
「試験飛行」のことで、人力プロペラ機は民間の飛行場、滑空機は砂丘で行われることが多いです。
滑走試験→ジャンプ試験→飛行試験と段階を踏んで進められ、
機体がベストの設定になるよう調整をしながら、チームによっては数ヶ月にわたって何度も行います。
機体輸送・コンテスト出場
 
上記のサイクルを1周するには1年ほどかかります。そのため、鳥人間コンテスト終了直後から翌年のコンテストに向けた機体設計に入るチームが多いです。

昔、「地下鉄の車体はどこから地下に入れるのか、考えたら夜も眠れない」という漫才がありましたが、これに似て、巨大な人力飛行機をどうやって現地へ運ぶのかというのは多くの人から聞かれる質問です。
人力飛行機の翼は機体によって20〜36m、胴体も5〜8mほどあり、そのままでは運べません。このため、機体は分割できるようになっており、普段はケージと呼ばれる大きなケースに入れられます。全国各地から琵琶湖までの機体輸送は、トラックにこのケージごと積み込んで行われます。
つまり、機体の最終的な組み立ては現地で行われます。組み立ても当然、人力です。

松原水泳場一帯に広がる駐機場(機体を組み立てたり、停めておく場所)は離陸順に飛行機が並んでいるので、競技が始まると全チームが1列になって進んでいきます。水泳場の広さの関係から、飛行機は手で持ち上げられ、カニ歩きのように横移動でプラットホームまで運ばれます。
琵琶湖の水位によっては、飛行機を支える人が何人か水没しなければならず、困難を極めます。


人力飛行機を琵琶湖で飛ばせば最後は必ず着水することになります。その際、機体は少なからずダメージを受け(最悪の場合は大破)、離陸地点まで船に曳かれて回収される際、更に破損する可能性もあります。
機体が大破しようと無事だろうと、飛ばしたチームは必ず持ち帰らなければなりません。
なので、基本的に琵琶湖で飛ばした後は引退というケースが多いようです。チームによっては修復して学園祭などで展示することもあります。
もったいないような気もしますが、人力飛行機はとても壊れやすいため再利用は難しく、技術継承・向上の意味合いで毎年製作することが望ましいので、琵琶湖で大破してしまうこと自体はそれほど問題ではありません。

人力飛行機のパイロットに要求される能力は様々ありますが、特に「体力」と「体重」の2つが大きなウェイトを占めます。人力プロペラ機の重さはパイロットの体重を含めると浮くか浮かないかシビアなところで設計されるので、体重の軽さが重要なのは言うまでもありません。また、コックピットはパイロットの体系に合わせて作られるので、小柄な人のほうが歓迎されます。しかし、単に体型だけ絞ればよいわけではありません。ペダルを漕ぎ続けるには、想像を絶する筋力・持久力・精神力が必要になります。そのため、パイロットには運動神経や基礎体力といったポテンシャルのある人が選ばれ、本番間際までトレーニングマシンや本格的なロードレース用自転車で鍛えるケースが多いです。

鳥人間コンテストのシンボルといえば高さ10mの「プラットホーム」ですが、実は、このプラットホームがあることで人力飛行機の飛行記録は国際的な公式記録としては認定されません。国際的な飛行記録(FAI飛行記録)として認定される条件の一つに水平面からの自力離陸というものがあります。高いプラットホームからのダイブは言ってしまえば「カタパルト」のようなものなのです。また、世界記録は離陸点と着地点の直線距離で計測されるため、琵琶湖の広さに限界があることも影響してしまいます。
そのため、人力飛行機で世界記録に挑戦しているチームは鳥人間コンテストとは別の機会を設け、海辺の飛行場から離陸し、海上を飛ぶことで解決しています。

人力飛行機世界記録:115.11km (マサチューセッツ工科大 1988年、ギリシャにて達成)
人力飛行機日本記録:49.17km (日大理工学部航空研究会 2005年、駿河湾にて達成)

人力飛行機は手作りとはいえ、究極的な軽量化のため、ほとんどのチームが骨組に「CFRP」(炭素繊維強化プラスチック)という最先端素材を使っています。このCFRPが非常に高価で、1機の骨組みを全て新調した場合100万円前後かかってしまいます。これに加えて様々な部品を作るのにもお金がかかるので、1機製作すると最終的に200万円くらいかかります。(※人力プロペラ機の平均的な制作費用)
このため、学生チームでは必然的に高額な部費を回収しなければならず、生活費を切り詰めて飛行機作りに賭けている人も少なくありません。

鳥人間コンテストのようなイベントは海外でも行われています。毎年同じ場所で行われるわけではありませんが、これまでに中国やドバイ、ヨーロッパ各国、アメリカなどで開催されています。
特に有名なのが、「Red Bull」が主催している「Flugtag」(フルークターク:ドイツ語で“飛行の日”の意)という大会で、世界各国で盛大に行われています。

しかし、海外の鳥人間コンテストは「仮装コンテスト」の意味合いが強く、「飛んでいる」というよりは「飛び込んでいる」ような印象を受けます。
なので、航空力学を追求し、本格的な「飛行機」が何10kmもの飛行記録を樹立しているのは日本の鳥人間コンテストだけです。
ただし、イベントという枠組みで考えなければ、世界中の大学を中心とした研究機関が本格的な人力飛行機を制作し、高い実績を上げています。
人力飛行機・鳥人間コンテスト関連ニュース
日本 日本
鳥人間コンテスト選手権大会
(JAPAN INTERNATIONAL BIRDMAN RALLY)
中国高台人力飛行大会
日本 日本
RED BULL FLUGTAG HONK KONG
(レッドブル フルークターク 香港)
RED BULL FLUGTAG STOCKHOLM
(レッドブル フルークターク ストックホルム)
日本 日本
RED BULL FLUGTAG BUCURESTI
(レッドブル フルークターク ブカレスト)
RED BULL FLUGTAG USA
(レッドブル フルークターク アメリカ)
日本 日本
International Bognor Birdman
(ボグナー バードマン)
Worthing International Birdman Festival
(ワーシング バードマンフェスティバル)
日本
Melbourne Birdman Rally
(メルボルン バードマンラリー)


人力プロペラ機の中で最も典型的なタイプである「ダイダロス型」に準じたタイプで、フライングワイヤーとランディングワイヤーの両方を搭載した機体のイラストを使って、人力飛行機の構造と各部分の名称を説明します。後述のキーワード集を読む際にも役立ちます。
※骨組がCFRP製、リブやプランクがスタイロフォーム製の機体をモデルにしています。
※チームによっては各部名称の呼び方が異なる場合もあります。
 
≫各部分をより詳しく説明したイラスト(高画質JPEG 918KB)
上記のイラストは説明用として描かれたものです。実際、エルロンは左翼・右翼の両方に付いています。
チームによってはダイダロス型でもキングポストとランディングワイヤーを搭載していない機体やフライングワイヤーも搭載していない機体(片持ち翼)もあります。
 

テレビ放映にも登場する、人力飛行機ならではの用語をいくつか紹介しようと思います。これで予習しておけば、オンエアをより深く観ることができる(かもしれません・・・)。
 
プッシャー 【pusher】  <俗> ケツペラ
人力飛行機にはプロペラがコックピットよりも後ろについている機体がいくつか見られます。これが「プッシャー」といわれる推進方式で、機体のお尻にプロペラがついているため俗に「ケツペラ」と呼ばれます。この方式だと、プロペラで発生する空気の流れが翼に影響しにくいというメリットがあります。また、コックピットのすぐ後ろ、機体の中間あたりにプロペラが付いているものは「中ペラ」と呼ばれたりもします。これらに対し、プロペラがコックピットの前に付いているものは「前ペラ」もしくは「トラクター(牽引式)」と呼ばれます。

▲ケツペラ

▲中ペラ

プッシュプル方式 【push-pull】
機体の最前部と最後部の2箇所にプロペラが付いた機体。鉄道では機関車を先頭と最後尾の両方に連結する方式を差す言葉としてよく利用されますが、飛行機では極めて珍しい形式です。プロペラが2基ありますが、後述の双発機とは明確に区別されます。



ぶいじびよく 【V字尾翼】

名前の通り、2枚の尾翼をV字になるよう斜めに立てた機体で、V字尾翼が水平尾翼と垂直尾翼両方の役割を兼ね備えています。通常の水平尾翼を左右で1枚づつと考えれば、V字尾翼にすれば尾翼を3枚から2枚に減らすことになり、空気抵抗を低減するのに効果があると言われています。

せんびよくき(カナード) 【先尾翼機(canard)】
通常、「尾」翼と言われるだけあって尾翼は機体の後ろについていますが、これがコックピットの前、飛行機の先頭についているタイプを「先尾翼」または「カナード」と呼びます。失速しにくかったり、機体を小型にできるメリットがある他、鳥人間コンテストにおいてはプラットホームからの飛び出し時に尾翼を引っかけて破損するリスクを減らせます。映画「スカイクロラ」の中ではこのようなタイプの戦闘機がいくつか登場するほか、後述の「おねがい☆ティーチャー」に登場する飛行機は典型的なケツペラ・先尾翼機です。

むびよくき 【無尾翼機】
尾翼は機体を安定させたり舵を切ったり、非常に重要な役割を果たしますが、同時に空気抵抗にもなります。そこで、無尾翼機は主翼に工夫をして尾翼の役割を持たせ、水平尾翼もしくは全尾翼を廃しています。滑空機にいくつか見られる形式です。

ふくようき 【複葉機】
主翼が上下2段になっている飛行機のことで、1枚当たりの翼面積を減らせるため、強度の弱い素材でも揚力(浮き上がるための力)を得やすいというメリットがあります。ライト兄弟の飛行機や第一次大戦時の戦闘機ではおなじみの形式ですが、現代では一部の曲芸飛行機などに残るのみです。鳥人間チームの中には少数ながらこの形式で制作しているところもあります。

タンデムよくき 【-翼機】
主翼が進行方向に並んで前後2枚取り付けてある機体のことを指し、その容姿から「トンボ型飛行機」「串型機」とも呼ばれます。主翼が2枚あるものの、その取り付け方から前述の「複葉機」とは明確に区別されます。広い翼面積を確保でき、安定性が増すと考えられていましたが、同じ設計思想の場合、前述の「複葉機」や「先尾翼機」の方が有利であることが実証されたため、現在ではほとんど見かけることができません。

そうどうき 【双胴機】
胴体(人力飛行機の場合胴体パイプ)が並行して2本ある形式。そのため、一般的には垂直尾翼が2つあり、その間の橋渡しをするように水平尾翼が取り付けられます。胴体の強度を上げるには有効な方法と言われており、後述の「魔女の宅急便」に出てくる機体も双胴機です。

そうはつき 【双発機】
通常、人力プロペラ機はプロペラがコックピットの前もしくは後ろに1基付いている「単発機」という形式ですが、少数ながら左右の主翼に1基ずつ、合計2基のプロペラが付いている機体もあります。これを「双発機」と呼びます。




にじゅうはんてんプロペラ 【二重反転−】
プロペラが進行方向に近接して2基並んでいて、2つのプロペラがそれぞれ逆に回転する仕組みのことを指し、「コントラペラ」とも呼ばれます。この仕組みにより、前のプロペラで生じる空気の流れの偏向を後のプロペラで相殺できるため、プロペラの効率を上げることができると考えられており、高速で飛ぶ必要のある爆撃機や輸送機で採用されることがしばしばありました。人力飛行機では相対的に機体重量が増え、仕組みも複雑になるというデメリットがあるため、ごく少数のチームが採用しています。

ひたいしょう(よく)き 【非対称(翼)機】
飛行機は「左右対称形」が大前提と言われていますが、ごく一部の研究者の間では左右の形状が対象でない飛行機が考案されました。これらの機体は、抵抗が発生する部分や、重量の分布を意図的に調節にすることで、飛行時は非対称形でも対称性を持つように設計されます。人力飛行機においてもユニークさを狙って一部のチームがこのタイプの機体を制作しています。

すいめんこうか 【水面効果】
飛行機が地面や水面のギリギリの高さを飛行すると、飛ぶことを妨げる力の一つ(誘導抗力)が減少し、飛行性能が向上する場合があります。一般的には「地面効果」と呼ばれますが、琵琶湖で行われる鳥人間コンテストでは「水面効果」と説明されます。滑空機が最初勢いよく水面に降りても、ギリギリのところで飛び続けるのはこれが一因であると考えることができます。

ラダー ・ エルロン 【rudder ・ aileron】
タイムトライアル部門では「旋回」が競技の“カギ”になりますが、その際操作するのがラダー(方向舵)もしくはエルロン(補助翼)と呼ばれる装置です。ラダーは垂直尾翼を左右に動かすことで機体の首を振り、自転車のハンドルを切るような役割を果たします。エルロンは主翼の一部を左翼と右翼で逆に上下させることで機体を左右に傾け、自転車をコーナーで内側に倒すような役割を果たします。実際の飛行機では両方の操作を組み合わせて旋回しますが、軽量化が要求される人力飛行機ではどちらか一方の装置を付けるのが基本で、製作が楽で安定性のあるラダーによる旋回を選択するチームが多くの割合を占めます。しかし、小回りで素早く旋回するにはエルロンの方が有利で、こちらを採用するチームもあります。

リカンベント ・ アップライト 【recumbent ・ upright】
人力プロペラ機はある意味「翼のついた自転車」と捉えることができます。特に、パイロットの乗り込むコックピットは自転車の部品が流用されることが多く、パイロットの操縦(漕ぎ)姿勢は通常の自転車のように直立に近い「アップライト」と仰向けに寝そべるようなスタイルの「リカンベント」に分類できます。どちらも本来は自転車の用語です。遠くからの見分け方は、コックピットが横長で流線型のようにスリムなものがリカンベント、やや縦長で箱型のようなものがアップライトであることが多いです。

▲リカンベントによく見られるコックピット

▲アップライトによく見られるコックピット

こうそくき ・ ていそくき 【高速機 ・ 低速機】
人力プロペラ機には高速機と低速機という便宜上の分類があり、特に比較的小型(翼の長さが30mに満たないくらい)で飛ぶ速さが8.0m/s(28km/h)程度のものが高速機と呼ばれることが多いです。タイムトライアル部門では当然有利ですが、飛び続けるには強靭なパワーが必要となり、試験飛行時に伴走するのも困難なため、飛行機を運用するのが難しいと言われています。

こうよくき ・ ていよくき 【高翼機 ・ 低翼機】

高翼機はパイロットの頭よりも高い位置に主翼がある機体です。機体の持ち運びがしやすい上、ワイヤーを取り付けて翼の湾曲を抑えることができるなどのメリットから、人力プロペラ機はこの「高翼」タイプが圧倒的に多いです。対して、パイロットの頭よりも低い位置に主翼がある機体を低翼機といい、水面に翼が近くなるため水面効果が得られやすいと言われています。このため滑空機や一部の人力プロペラ機に採用されています。
これらの中間として、パイロットの頭から腰のあたりに翼が設置される機体を「中翼機」と区別する場合もあります。

▲高翼機

▲低翼機

フライ・バイ・ワイヤ 【fly-by-wire(FBW)】
人力飛行機はアナログな乗り物と思われがちですが、最近では操縦システムにコンピュータや電子回路を用いた機体が主流になりつつあります。これは「フライ・バイ・ワイヤ」と呼ばれ、ハイテク旅客機にも搭載されている仕組みです。パ イロットが操縦桿を動かすと電気信号が舵に伝えられ、電気モーターが舵を動かします。人力飛行機は推進方式が人力であればよいので、このような部分にモーターを使うことはルール違反になりません。この他にも、光ファイバーで信号を伝達する「フライ・バイ・ライト」という形式があります。

ダイダロスがた 【-型】
アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)がギリシャで人力飛行機最長飛行記録(115.11km)を達成して以来、このときに使われた機体のスタイル(前プロペラ、高翼、後尾翼、リカンベント)が日本の鳥人間チームでも主流となりました。このスタイルは、世界記録を達成した機体が「ダイダロス号」という名前だったことから「ダイダロス型」と呼ばれ、今でも人力プロペラ機で最も多くの割合を占めます。ちなみに、下記の「ふわり!」という作品に登場する機体も「ダイダロス型」です。
 

「鳥人間コンテスト」や「人力飛行機」が登場する映画やアニメ作品、ゲームを紹介します。
[コミック] ふわり!
社会人鳥人間サークルを題材にしたコミック作品。よみうりテレビも協力。月刊スピリッツにて連載、単行本全2巻。
実在の社会人チーム「
Coolthrust」への取材を元に描かれているため、人力飛行機の細部にわたる描写や制作過程の説明は極めてリアル。

[アニメ映画] 魔女の宅急便
言わずと知れた名作。
作品中ではトンボが所属する「飛行クラブ」のレトロスタイルな人力飛行機が登場する。


[テレビアニメ] おねがい☆ティーチャー
主人公たちが通う長野県の高校の技術教師が、仕事の合間に人力飛行機をコツコツ作り、鳥人間コンテスト(作品内では「鳥人グランプリ」という名称)に出場するという設定で登場する。なぜか、小型に作られた試作機は沖縄でテストフライトした。
作業場のシーンではリブなど人力飛行機の部品が細かく再現されている。何よりも、コンテスト会場の様子、特にプラットホーム周辺がかなりリアルに描かれている。


[テレビアニメ] 四畳半神話大系
第3話『サイクリング同好会「ソレイユ」』の中で、舞台である京都大学の鳥人間サークルが滑空機を製作している設定で登場する。琵琶湖での大会を思わせるシーンもあり。(※京都大学に鳥人間サークルは実在するが、作っているのは滑空機ではなく人力プロペラ機)
特に作業場での制作風景は、カーボンパイプの自作など実際に鳥人間チームが行っていることがリアルに描かれており、事情に詳しい人が関わっていると思われる。


[テレビアニメ] STAR DRIVER 輝きのタクト
第16話「タクトのシルシ」にツナシ・タクトが島に来る前の出来事として高翼・アップライト型の人力プロペラ機を飛ばす話が登場する
タクトの友人、ナツオが飛んだ時は前ペラ(牽引式)なのに、ナツオ亡き後にタクトが飛んだときは中ペラ(推進式)にマイナーチェンジしている。中ペラが有利だと考えナツオの設計思想をわざわざ変更したと考えれば、タクトは人力飛行機にかなり精通していると思われる。

機体はよく人力飛行機の特徴を捉えていて、事情に詳しい人が関わっているような印象を受ける。墜落シーンはある意味リアルで衝撃的。
変更前
(前ペラ)
変更後
(中ペラ)

[テレビアニメ] おジャ魔女どれみ ドッカ〜ン!
第17話「秘密基地を守れ!」に小学生(!)が人力飛行機を飛ばす話が登場。機体はアルミフレームで人力機というよりはプロペラの無いセスナ機のようなスタイル。なぜか自転車が取り付けられているのに滑空機。つまり、ペダルを漕ぐのは離陸時に坂道で加速するためだけ!小学生の設計思想はデンジャラスすぎる!

[コミック] エクセル・サーガ (7巻)
MISSION4,5 「永遠の翼」に鳥人間コンテストで人力飛行機を飛ばす話が登場。ギャグ漫画なので設定はメチャクチャだが、某大学の滑空機と思われる機体がパロディで登場したりもする。2000年初版ということもあり、ケツペラの人力プロペラ機も登場する一方で懐かしの「コミックエントリー」的な人々も登場する。

[時代劇] 必殺仕切人
時代劇とは思えないような設定が続々と登場するなど、必殺シリーズの中でもコミカルな要素が多い作品。

第5話『もしも鳥人間大会で優勝したら』で、江戸時代に鳥人間コンテストがあったらどうなるかというパロディとして登場する。

[ライトノベル] 旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。
飛行機がメインとなる話ではないが、第2話の中で人力プロペラ機に関してかなり細かい描写が登場する。

[コミック] にくいあんちきしょう
人力飛行機マニアの高校生が主人公の物語。
作中には現実的な設定ではないものの、人力飛行機レースが登場する。また、主人公の機体名がグライダー式の人力飛行に成功した航空力学研究者、オットー・リリエンタールに由来しているなど、あちこちに飛行機に関するバックグラウンドが盛り込まれている。

[コミック] ドラえもん (28巻)
第13話「のび太航空」で、未来の遊具として足こぎ式の2人乗りプロペラ機が登場する。
現代の航空力学で考えると、人力で飛ぶにしてはどう考えても翼面積が足りない気がするが、それでも飛んでしまうところが22世紀のテクノロジーなのだろう。

[アニメ映画] ドラえもん のび太と翼の勇者たち
鳥から進化した人類である「鳥人」の世界が舞台。
自分の翼で飛ぶことができない鳥人の少年「グースケ」が自作の人力飛行機でレースに挑む設定で登場する。

[アーケードゲーム] プロップサイクル
namco(現:バンダイナムコゲームス)が開発したゲームセンター向けゲーム。小型の人力飛行機に乗り込み、各ステージにある風船を割っていくゲーム。テレビ朝日系列のバラエティ番組「超次元タイムボンバー」にもアトラクションの1つとして登場する。ゲームセンターには1人でペダルを漕ぎ操舵するタイプと、テレビ番組同様、1人がペダルを漕いでもう1人が操舵する2人乗りタイプの2種類が存在する。

≫プロップサイクル公式サイト

[プレイステーションゲーム] デジタルグライダー エアマン
航空力学に基づき、グライダーを設計して飛距離を競うゲーム。
鳥人間コンテストの滑空機部門に近い感覚がある。

※現在はPSP・PS3用のダウンロード版が発売中

≫紹介サイト

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